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他法令該当の有無をどうやって調べるの?

 「他法令」とは、関税関係以外の法令で、輸出または輸入に関して税関の輸出入の許可のほかに担当省庁の許可承認などを定めたものを言います。関税関係の法令とは、主に、輸出入手続きに関連する「関税法」・「関税定率法」・「関税暫定措置法」の関税三法を指します。

 

 他法令の例として、

・安全保障貿易管理や国際約束などに係る「外国為替及び外国貿易法外為法:がいためほう)」
・食品、おもちゃなどの貨物に係る「食品衛生法
・農産物などに係る「植物防疫法」
・畜産品などに係る「家畜伝染病予防法
・「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(旧 薬事法)」

が挙げられます。

 

◎輸入関係他法令一覧表(税関HPより)

https://www.customs.go.jp/tariff/2018_4/data/import.htm

 

 例えば、商業的に使用する食品や乳幼児用のおもちゃを輸入する場合、安全性確保の観点から「食品衛生法」に基づき、輸入者は厚生労働省が管轄する検疫所に対し食品届の輸入届出を行わなければなりません。輸入届出を行わない食品などについては、販売・営業上使用することはできません。

 輸入者は貨物到着後、事前に用意していた食品等輸入届出書関係書類をもとに検疫所に対して輸入届出を行います。検疫所の審査によって、検査不要であればそのまま食品等輸入届出済証が発行され、要検査の場合は、検査に合格する必要があります。

 関税法70条より、輸出入申告者には税関に対して他法令の証明と確認の義務がありますので、他法令に係る手続きを適切に対応しなければ、輸出入の許可は受けられません。

 

◎他法令該当有無について調べる方法

 

・webタリフの活用

 

 詳細は、http://kobex.info/index.htmlまで。

 

◎事例1. 玩具は「対象年齢6歳以上」であれば食品届出が不要か

 

 一般論からすると、商品に「対象年齢6歳以上」とあれば食品届不要との見解ですが、経験談からお話ししますと、各港の各検疫所によって「対象年齢6歳以上」であっても幼児が手に持てるほどの大きさの商品であれば、届出が必要な検疫所があり、見解が統一されていないのが現状です。

 つまり、検疫所の担当者のさじ加減によって、届出しなければ輸入できないということになります。とある港では、税関審査が通らないので他港で輸入できないかといったご相談を受けたこともあります。

 最終的には、食品衛生法違反で罰せられるのは輸入者自身でありますので、検疫所にしっかりと確認するようにしてください。

 

事例2. 毒劇物販売許可証を所持している輸入者が、劇物指定の商品を輸入しようとする

 

 結論から言いますと、輸入することができません。毒物劇物輸入業登録票があれば、輸入することができます。しかし、登録までに時間がかかり貨物がその間ストップすることになります。どう処理したかと言いますと、自家消費用の毒劇物を輸入する場合、通関の際に税関に薬監証明書を提示すれば足りることから、3〜4日かけて薬監証明書を作成し、税関に提出後、輸入許可となりました。 

 

▽不明点等があれば、下記までお問い合わせください。