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税関事後調査ってどう対応すればいいの?

 輸入事後調査の結果、約7割の輸入者は、追徴税を支払っているのが現状です。コンプライアンスに優れた大手企業でも申告漏れがあるぐらいです。事後調査は通常、過去3年から5年分に遡って調査が行われるため、申告漏れを指摘された輸入者の負担は、相当な額となる傾向にあります。

 次のように納税額に誤りがあれば、加算税や延滞税を支払うことになります。

 

◎過少申告加算税

 納税申告後、税関の調査により納税申告が適正でないとして修正申告または更生が行われた場合は、原則として当該修正申告等により増加した税額の10%に相当する金額が過少申告加算税として課されます。

 この差額は「増差税額」といわれます。例えば関税額10万円で申告して支払っていたものが、あとの社内調査等で50万円の関税額であることが判明した場合、50万円-10万円=40万円が増差税額となるため、40万円x10%=4万円となります。

 調査の事前通知があった後の更生予知前に修正申告する場合は、増差税額に対して5%に減額されます。増差税額が当初申告税額と50万円とのいずれか多い額を超える場合は、上記によって計算した過少申告加算税額にその超える部分の増差税額に5%を乗じて計算した額を加算します。

 例えば関税額10万円で申告したものの、正しい関税額は100万円であった場合、増差税額は90万円となるため、90万円x10%の9万円に加えて【増差税額(90万円)-50万円】x5%=2万円がかかり、合計11万円の過少申告加算税となります。

 なお、税関の調査である事後調査の前に、自主的に申告した場合はこの過少申告加算税はかかりません。

 過少申告加算税を課せられるケースでも、事実の隠蔽や仮装があったと認められた場合には、重加算税(35%)が課せられます。

 これはあくまでペナルティとしての加算税であるため、申告納税方式ではなく、税関長による手続きで金額が決定する賦課課税方式となります。

 不足税額が1万円未満の場合は免税、計算した結果、過少申告加算税が5000円未満となる場合は免税となります。計算額5000円以上の場合に徴収されますが、100円未満は切り捨てられます。

 

無申告加算税

 納税申告が必要とされる輸入貨物について、当該申告が行われずに輸入された貨物で、期限後特例申告書を提出した場合、税関長の決定があった場合、又は当該決定後に修正申告又は更正があった場合には、当該決定等により納付すべき税額の15%に相当する金額の無申告加算税が課されます。

 また、税関の調査通知を受けた日の翌日以後、更正決定予知前に期限後特例申告書の提出又は修正申告が行われた場合は、新たに納めることになった税金の10%相当額が無申告加算税として課されます。

 なお、無申告であったことが正当な理由によるものであると認められる場合には、無申告加算税は課されません。

◎重加算税

 上記「過少申告加算税」が課される場合で、輸入者が課税価格等の基礎となる事実について隠蔽又は仮装行為を行い、それに基づいて申告をしていたときは、過少申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る過少申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額の35%に相当する金額の重加算税が課されます。

 また、上記「無申告加算税」が課される場合で、輸入者が隠蔽又は仮装行為を行って輸入(納税)申告をしていなかったときは、無申告加算税の額の計算の基礎となるべき税額に係る無申告加算税に代え、当該基礎となるべき税額の40%に相当する金額の重加算税が課されます。
 なお、隠蔽又は仮装されていない事実に基づいて計算した税額は、重加算税の計算の基礎となるべき税額から控除されます。

 

◎延滞税

 関税の支払いに不足があることがわかった場合、ペナルティとして過少申告加算税、無申告加算税、重加算税などが課せられますが、この延滞税もこうしたペナルティとして課せられる「附帯税」の一つです。

 具体的には、法定納期限(輸入許可の日)の翌日から関税を納付する日までの日数に応じてかけられる延滞金であり、納付が遅れるほどに金額も増えていく税金です。

 延滞税率は、関税法の附則によって変わるのですが、規定上は、法定納期限の翌日から2月を経過する日までは年率7.3%で、納期限の翌日から2月を経過した日以降は、ペナルティとして倍となる年率14.6%の税率となります。

 延滞税の計算方法は、コチラ↓(国税庁HPより)

https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/entaizei/keisan/entai.htm

 

◎事後調査対策として

 社内調査等で、納税額に誤りがあったことが発覚したら速やかに自主修正申告をすることをお勧めします。税関事後調査で誤りを指摘され、修正を行うことを事後調修正と呼んでおりますが、加算税を払いたくない場合は、自主的に修正申告をするようにしてください。輸入者の意向で自主的に修正申告をすれば加算税がかかりません。

 年に数回ですが、客先から事後調査の通知が来たが、どう対応したらいいのか分からないという相談を受けます。実際に書類を見てみないとわからないので客先に出向き、輸入許可書、インボイスや送金明細をチェックして、誤りがあった場合は、自主修正申告をお勧めしております。結果、事後調査後、感謝の言葉をいただいております。

 よくある納付額の誤りは、評価申告漏れです。逆委託加工で日本から無償提供した支給材の費用を申告していなかった等です。その他に検品費用や金型費用が申告漏れしており、そんなこと聞いてないと思うかもしれませんが、事後調査で指摘される事項ですので、通関業者に相談しながら輸入申告を行うようにいつも心掛けておいてください。